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市民や子どもたちによる多摩川流域一斉水質調査についての新たな展開
〜電気伝導率、硝酸態窒素、リン酸態リンの測定(平成25年度)〜

 美しい多摩川フォーラムでは、平成20年6月から平成25年6月までの5年間、子どもたちや多摩川流域の人々と共に、多摩川の上流から下流までの75ヵ所(当初55ヵ所)において、気温、水温、化学的酸素要求量(COD)を測定し、その結果を「多摩川流域水質マップ」にして公開してきました。5年間における多摩川の上流から下流までのCOD(パックテスト)の平均値をみると、0〜3mg/L未満の地点の割合が56.7%、同3〜6mg/L未満が31.3%、同6mg/L以上が11.5%で、5年間におけるCOD値は、横ばい傾向にあります。

 そこで、平成25年度から、有機物による水質汚染の指標であるCODに、さらに無機イオンの総量の指標である電気伝導率と、生活排水に多く含まれている硝酸態窒素リン酸態リンの定量を追加しました。特に窒素とリンは、東京湾の赤潮、青潮に関係する重要な水質調査項目です(硝酸態窒素:水中の硝酸イオンに含まれている窒素のこと。リン酸態リン:リン酸イオンに含まれるリンのこと)。


 平成25年6月2日(日)、多摩川本川・支川の60地点で採水し、美しい多摩川フォーラム事務局のある青梅信用金庫本店にて、COD、電気伝導率、硝酸態窒素、リン酸態リンを測定しました。その後、6月8日(土)には、残りの15地点で採水し、同様に測定しました。

 結果については、【図1】多摩川本川の電気伝導率【図2】多摩川支川の電気伝導率【図3】多摩川本川の硝酸態窒素【図4】多摩川本川のリン酸態リンをご覧ください。なお、多摩川支川の硝酸態窒素は1mg/L以下、多摩川支川のリン酸態リンは測定限界0.03mg/L以下のため、掲載しておりません。
平成25年度 電気伝導率、硝酸態窒素、リン酸態リンの測定結果
(図をクリックすると拡大できます)
【図1】多摩川本川の電気伝導率 【図2】多摩川支川の電気伝導率
【図3】多摩川本川の硝酸態窒素 【図4】多摩川本川のリン酸態リン
天然水の一般的な伝導率の値
天然水の種類 電気伝導率
ms/m
雨水 1〜3
河川上流のきれいな水 5〜10
河川下流の汚れた水 20〜40
硝酸態窒素と水の汚れの目安
天然水の種類 硝酸態窒素
mg/L
雨水 0.2〜0.4
河川上流のきれいな水 0.2〜1.0
河川下流の汚れた水 2.0〜6.0
リン酸態リンと水の汚れの目安
天然水の種類 リン酸態リン
mg/L
雨水 0.05以下
河川上流のきれいな水 0.05以下
河川下流の汚れた水 0.1〜1.0
※上記いずれも「調べる・身近な水」(講談社、2001年)小倉紀雄著を参考