東北復興支援シンポジウム

　平成２５年１月２０日（日）、イイノホール（千代田区内幸町）において、「東北復興支援シンポジウム～桜がつむぐ東北の未来～」が開催されました。これは、国土交通省の「平成２４年度官民連携主体による地域づくり推進事業」による調査事業で、東北・夢の桜街道推進協議会による「東北・夢の桜街道」運動を広くＰＲし、東北の復興につなげていくことを目的としたイベントです。
　シンポジウムの第１部では、２０１２年・第８４回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされて話題を呼んだ作品「津波そして桜」を上映、第２部では、「東北・夢の桜街道」運動を推進している協議会のメンバーを中心に、９名の方が登壇し、パネルディスカッションを行いました。当日は３３０名の方が来場され、「記憶の風化」が始まりつつある東日本大震災を今一度思い起こし、「東北のこれから」を考えました。
　
　イベント会場となったイイノホールには、お客様が早くからご来場されたため、１３時からの開場を早めました。高い天井から一面ガラス張りのホール・ホワイエには、「東北・夢の桜街道」のパネルを８点展示したほか、昨年４月２１日に三春滝桜で開催した語り部・平野啓子氏による「美しき桜心の物語」の語り会の模様をＤＶＤで放映し、開演前にホワイエでくつろぐ来場者に楽しんでいただきました。

　１３時半、いよいよ第１部がスタートしました。「東北・夢の桜街道推進協議会」会長の細野助博氏が開会挨拶をされた後、「津波そして桜」が上映されました。この映画は、残念ながら日本では配給されておりませんが、作品の監督を務めた英国人女性のルーシー・ウォーカー氏のご厚意に加え、後援をいただいた共同通信社様の多大なご協力により、特別に本イベントでの無償上映が叶いました。
　映画の冒頭シーンでは、津波のドキュメンタリー映像が流れ、当時の辛い記憶が蘇り、涙する来場者も少なくありませんでした。しかし最後には、津波にあっても、春を迎え、懸命に咲く「桜」の姿に、被災地の人々が癒され、勇気付けられる内容になっており、復興・再生に向けて希望をつなぐ感動的な映画でした。

　第２部では、細野会長のコーディネートのもと、東北観光推進機構推進本部副本部長の三浦丈志氏、宮城県経済商工観光部長の河端章好氏、やまがた女将会会長で日本の宿古窯女将の佐藤洋詩恵氏、一般社団法人全国信用金庫協会常務理事の森川卓也氏、東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部営業部次長の筑波伸夫氏、株式会社ジェイティービー旅行事業本部観光戦略室観光戦略担当部長の池田伸之氏、語り部の平野啓子氏、山形弁研究家のダニエル・カール氏の８名によるパネルディスカッションが開催され、「桜」をシンボルにした「東北のこれから」について活発な議論が行われました。
　途中、来場されていた東北運輸局の坂本企画観光部長が、サプライズで登壇され、「東北・夢の桜街道」がインバウンド対策としても有効であると指摘、熱のこもったトークにより、会場を大いに盛り上げていただきました。
　最後に、人事院人事官で美しい多摩川フォーラム名誉会長の篠塚英子氏より閉会挨拶があり、イベントは無事終了しました。

　イベント終了後、「東北・夢の桜街道」の２０１３年版のカレンダーが来場者にプレゼントされ、皆さん満足した様子で帰られました。当協議会では、今後も様々なイベントを通じて「東北・夢の桜街道」をＰＲし、東北の復興・再生に貢献していきたいと思います。

■イベントの様子■